介護施設には2種類の「キツさ」と引き換えに得られる準市場の平穏がある

おはようございます。たにめにです。どうも。

介護福祉士として、10年以上の現場を経験してきた男が、介護業界を去るための情報をブログにまとめています。

現在は2児の父として、広告代理店でうだうだやってます。

介護の仕事してると、利用者の家族と雑談をする機会は、けっこうあります。

きまって聞かれるというか、言われるのが「大変でしょう?」っていうセンテンスなんですよね。

で、正直、介護の仕事って、大変なんだけど。

大変でもないんですよ。

「…ん?」って感じですよね。

今回の記事では、介護職のキツイ部分と、大変でもない部分を解説していきます。

介護職の「キツさ」にも種類別の違いがある

キツいって言っても、その「キツさ」には、種類がありますよね。

介護職のキツさで言うと、ぼくは2種類あるかなーと感じています。

結論から言うと、以下のような「キツさ」です。

  • 全産業で最下層に位置する給料面での「キツさ」
  • 排泄介助や認知症の人への対応に伴う感情的な「キツさ」

いわゆる、3Kって言われるようなところに当てはまってきますよね。

そりゃあ、誰だって、給料の低いところで働きたいとは思わないですよ。

給料がよくて、人間関係がよくて、福利厚生が整っていて、難しいことは考えたくない

って思うのが、サラリーマンの願いじゃないですか?

介護業界で最大の問題点は給料のアッパーが低いところ

介護業界って、給料面でのアッパーが、ある程度決まってしまうところはあります。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2019年の介護職員の平均年収は359.8万円です。

全産業との差は、なんと100万円を下回ってきます。

全産業の昨年の平均年収は、463万4900円だからです。

首都圏であれば、全産業の平均年収くらいは、なんとか目指せますけど。

地方になると、絶望的な給料です。

「生活保護か」って言いたくなるような、給与形態のところも少なくないです。

残業申請のハードルが高いと、なんとなくサービス残業になりがちですしね。

しかも、数分、数十分のサービス残業が続けば、そこに違和感を抱かないようになってきます。

人間は、一度でも違和感を許容してしまうと、徐々に「このくらいなら、まぁいいか」という気持ちが働き、次第に無茶振りの許容量が上がっていきます。

会社から洗脳をうける感じです。

ぼくは、子どもが2人いるってのもありますが「この仕事を何十年も続けて、最終的になんになるの?」っていう危機感を、強烈に抱いています。

給料のアッパーが既に見通せてしまう時点で、生活は維持できても、豊かさは手に入らないと言われてるようなものですからね。

そういう「キツさ」が、介護業界には、つきまといます。

つまり、年収面で上を目指そうとしたら、だいぶ居心地が悪い業界です。

「オレはこのくらいで十分だぜ」って人には気楽な仕事かもしれません。

介護職がキツイか気楽かってのは本人の許せるライン次第

介護職の適性があるか、ないかっていう基準はどこにあるのか。

それは、業務内容とか、給料面において、どこまでが耐えられるか、どこまでがムリなのかってところの、ラインにあるんですよね。

先述したように、キツさの種類が、介護の場合、排泄介助とか給料の低さってところに、該当するんだと思うんです。

例えば、排泄介助で、排便コントロールのためにラキソ20とか、ぶっ込まれて、弄便ろうべんのある利用者が巡視のときに、サイドレールがうんこだらけになってても、淡々と処理できる。

っていう人であれば、介護職は気楽な仕事だと言えます。

まぁ、そこに抵抗がない人ってのは、いないとは思うんですけどね。

ディスポ越しとは言え、誰だって他人のうんこなんか、触りたくないですよね。

そういう「キツさ」が、介護職のキツさですかね。

そういった日常に対して「もうムリだわ」っていう気持ちが圧倒的に勝つのであれば、介護職は向いてないです。

それゆえに、向いてる人は、とことん向いてるし、向いてない人は、とことん向いてない。

ってことが言えてしまうのが介護現場なのです。

まぁ、それは別に、どんな仕事にも言えることではありますけどね。

数字を追うようなキツさが嫌なら介護業界は向いてる

以下の記事でも述べましたが、介護業界は定量的な評価を求められる仕事ではありません。

自由市場であるビジネスの世界は、基本的に数字を追うような構造になっています。

それゆえに、行動力であったり、積極性が求められます。

あえて、露悪的ろあくてき見方みかたをすれば、他人のリソースを奪うことによって、自分の利益を上げるような側面もあります。

じゃあ、介護業界はどうか?

以下の記事でも触れましたが、介護士の給料の正体は、介護保険料と国の財源です。

そのほとんどが、公的な財源によって、成り立っています。

つまり、準市場をベースとした、キャッシュフローなのです。

そして、介護職は、どちらかと言うと、ひっこみ思案な人の方が多い業界です。

そういった準市場的な経済事情も関係あるのかな?

わかりませんが。

だからこそ、やさしい人が多いんじゃないのかなーとも、勝手に思っています。

温厚で、人の痛みがわかるタイプの人が、流れてきやすい。

(わからなそうな人も流れてきやすいけどね)

少なからず、仕事ってのは、どこかにキツい部分が含まれるものです。

その中で、どんなキツさだったら、自分は受容できるのか。

キツさの種類によって、仕事の向き不向きが左右されます。

排泄介助とか、給料の低さっていう「キツさ」と引き換えに、数字に追われない気楽さが、介護業界の現場にはあるんじゃないかなと思います。

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