介護と育児の共通点は本人の状態が変わっていくこと
介護士として、理想的な介護の仕方があるのだとすれば、それは自律支援です。
自立支援ってのは、なにかっていうと、文字通り、自律を支援するための介護です。
手出しをしすぎず、しなさすぎずってところの塩梅の見極めが必要です。
要は、できることは積極的にやってもらおうっていうイメージです。
そういう意味だと、せっかちな人って、介護職はあまり向いてないと言えます。
自立支援ってのは、利用者ペースでの介助が基本だからです。
【せっかちな気質を持っている】ということは、自分のペースで動くことへの欲求が、人一倍強いってことです。
露悪的な言い方をすれば、自分勝手ってことですね。
そういう人にとっては、相手のペースに合わせることって、めちゃめちゃ面倒くさいことなんですよね。
したがって、自立支援を視野に入れた介護をしようと思ったら、結構なストレスになるんじゃないでしょうか。
これって、子育てにも通ずるところがありますよね。
例えば、幼児って、できるところと、できないところが日々変わっていきます。
すごいスピードで。
例えば、着替えがうまくできなかったのに、靴下がはけるようになってる。とか。
この前まで乗れなかったのに、自転車に乗れるようになった。とか。
それを気づかずに、手伝おうとした日にゃあ、泣きながら怒られますね。
「自分でできる!」と。
そりゃそうだ。
できるんだから。
介護も育児も手を出すところを間違えると非常な結果となる
育児にも、介護にも、共通して言えることは、本人ができることを無為に奪ってはいけないってことです。
ジブリ映画、千と千尋の神隠しでも、釜爺(かまじぃ)が言ってましたね。
「気まぐれに手ェ出して、人の仕事を取っちゃならねぇ」
千と千尋の神隠し/釜爺(かまじぃ)
と。
なんでかって言ったら、それぞれに、それぞれの役割があるからですよね。
そりゃあ、こっちで手伝っちゃった方が、圧倒的に早いですよ。
でもそれだと、子供が成長する機会を奪ってしまいます。
高齢者が残した「できること」を奪ってしまいます。
つまり、介護と育児に向き合うときってのは、相手は今、何ができるのか、何ができないのか、それを手伝う必要はあるのか。
そういった観点を持って、もう一度よく考える必要がありそうです。
介護と育児の共通点であり相違でもある【変化】とは?
介護と育児の違いを、一つあげるとすれば、可逆的な変化と、不可逆的な変化の違いがあります。
子供は、可逆的な変化を起こしていきます。
できないことが、できるようになっていく。
高齢者は反対に、不可逆的な変化が伴います。
できてたことが、できなくなっていく。
「変化」という観点で見れば共通点ですが、それが発展途上にあるか、衰退途上にあるかで見れば、相違点になってきます。
いずれにしろ、この変化について気付くためには、普段からの観察力が必要になってきますよね。
コメント