ぼくが介護業界を新卒で就職先に選んだ理由
この仕事をしていると、「なんで介護やってるの?」ってよく聞かれます。
でも、ぼくには聞こえのいい、定番の志望動機はありませんでした。
例えば…
祖母が(或いは祖父)が、介護施設にいて。
その時に対応してくれた介護士さんが優しくて。
自分もこんな風になりたいと思いました。
みたいなやつです。
僕が、介護業界を選んだ理由。
それは…
「いい人が多そうだったから」
ただ、それだけ。
アホみたいな理由ですよね。
というのも、僕は、もともと人とコミュニケーションを取るのが苦手で、就職をするにあたって、人間関係に消耗するのが怖かったんです。
しかも、自己肯定感が異様に低かった。
だから、どんなに仕事が大変でも、人間関係が良好なら、やっていけると考えていたんですよね。
つまり、ぼくにとっては、人間関係さえよければ、仕事内容は二の次だったんです。
そして、介護なんて選ぶくらいだから、優しい人が多い業界なんじゃないか。
そう思いました。
働いてみて分かったのですが、その予測は外れていませんでしたね。
運が良かったのもありますが、22歳の時に配属された事業所は、本当に温かい人ばかりだった。
訪問入浴の会社内で働く中で、他の事業所を全て見る機会もあり、改めて自分の配属先は、人間関係に恵まれていたことを知りました。
おかげで、低すぎた自己肯定感も、周りの人の声によって、人並みの人間になれたような感覚があります。(自分がわりとイケメンの部類に入ってたことも、周りに言われてから知りました)
OJTついてた研修期間の頃なんて、初めて伺ったお宅の、認知症のばあさんに「あんた気持ち悪い」って言われて、その言葉をしっかり真に受けてましたからね。
そんな事で、いちいち傷付いていたんですよ。
それくらい、デリケートなメンヘラ野郎だったわけです。
今の自分なら、余裕でスルーできますが。
で、僕は10年以上、介護業界に身を置いている人間ですが、実際、優しい人が多い業界だとは感じていますね。(変な人も多いですが)
介護未経験で始めた訪問入浴という仕事
さて、僕が最初に選んだ職場は、訪問入浴という仕事です。
訪問入浴のオペレーターという仕事は、運転免許さえあれば、未経験でも働くことができる仕事でした。
実は、どんな仕事内容なのかもわからないまま、上京したいという理由で飛び込んでみた業界が、訪問入浴の世界だったんです。
僕にはもともと、明確に、やりたいことがありました。(ここでは伏せておきます)
大学を卒業したら、フリーターをやりながら30歳くらいまでやってみようという考えもありました。
ただ、友人や大学の恩師等々の周囲の声としては、「後で、やめればいいんだから、就職はしておいたほうがいいよ」という、アドバイスが多かったんですよね。
確かに、大学出ておいてフリーターってのも悪手だよなと思い至り、先述したようにいい人が多そうだからというアホみたいな理由で、なんとなく介護業界を選んだというのが、正直なところです。
つまり、上京する為の腰掛けとして、就職するという選択を取った。
それがたまたま介護の業界だった。
これがぼくの、介護キャリアの始まりだったということです。
働いてみて分かりましたが、訪問入浴は、典型的な肉体労働です。
やったこと無いので想像ですが、なんとか引っ越しセンターなみの重労働と言っても過言ではないです。
もはや運動系の部活です。
ただ、僕は元々、中学・高校・大学と、バリバリの体育会系だったので、体を動かすタイプの仕事には自信がありました。
仕事に慣れてきた頃には、運動量に関しては一緒に組んだ職員からは、重宝されるようにもなっていましたから。
そんなこんなで、介護業界で働くなんて、全く想定していなかったけど、なんとかやっていけたんですよね。
むしろ、「こんなのでお金がもらえるんだ」とすら思ってました。
で、10年後。さらに特養と有料の現場経験を経て、今に至るって感じです。
その辺は長くなってしまうので、また別の記事でまとめていきますね。
これから介護業界を目指す人に言っておきたいこと
もし、今これを読んでくれているあなたが20代前半で、これから介護業界に新卒で入職する。とか。
あるいは、転職を考えているのだとしたら。
もう1度、考え直してもいいかもしれません。
なぜなら、介護業界から、別の業種への転職を目指すって、なかなか難しいことだからです。
若い人ほど、オススメしたくない仕事です。
「やっぱり介護系の仕事は向いてないなぁ」って思った時に、自分のキャリアプランを立て直そうとした場合、介護の経験って、あんまり他業種で役に立ちません。
逆は、そんなに難しくないです。
介護業界はどこも慢性的に人手不足ですから、やる気さえあれば、30代でも、40代でも、未経験で介護業界へ転職できるはずです。
現時点で、やりたい事が、うっすらとでも脳裏にあるなら、それをやるべきです。
「自信がないから」みたいな、消極的な理由で介護業界を選んでいるのだとしたら、いつか後悔しますよ。
それでも、介護に興味があるとか、やってみたいと思うなら、このブログを引き続き読んで頂ければと思います。
一応、介護の世界で、
- 訪問入浴
- 有料老人ホーム
- 特別養護老人ホーム
といった、3つの職場を、のらりくらりと渡り歩いて11年やってますから、なにかの役に立つ情報をお渡しできるはずです。